◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(14)
であるということができるから、結局、右両地区はその位置、土地柄からいつて、近傍類地としての類似性がなく、しかも前記売買例の土地はいずれも堤防敷ではなく、その価格は開発利益を見込んだ特殊な価格というべきであるから、本件堤防敷地の所有権相当額を算定するうえで、原告主張にかかる前記<地名略>の土地三筆の取引事例は適切なものではない。その他原告主張価額を相当と認めさせるに足りる適切な証拠はない。
他方、被告は本件堤防敷地の所有権相当額は一平方メートル当り二四二円であり、右相当額は取引事例比較法によつて算定した額等からみて相当であると主張する。而して、前掲乙第四号証の一、同第一〇号証の一、成立に争いのない甲第二号証、乙第六号証の一ないし四、同第七号証の一ないし九、同第九号証の一、二、同第一一ないし二三号証、同第二四号証の一ないし二二、同第二五号証、証人Cの証言により真正に成立したものと認めることができる同第八号証の一、二および同証人の証言によれば、本件敷地から約六キロメートル下流にあたる三重県桑名郡<地名略>地区において、昭和三八年三月二七日四筆の堤敷の売買事例があり、右売買価格はいずれも坪当り二〇〇円であること、右地区付近を流れる木曾川派川である鍋田川の締切りに伴う木曾川の水位上昇を避けるための同地区引堤工事の用地について、所有者が現に宅地・田畑等の用に供している土地については、鍋田川廃川敷地に造成した土地と交換し、それ以外の原野・堤敷については右のごとき交換ではなく買収が行われ、前記四筆を含む一六筆が買収されたこと、右買収価格は「建設省の直轄の公共事業の施行に伴う損失補償基準」(昭和三八年建設省訓令五号)に則り算出されたこと、右買収価格につき本件裁決において定められた補償時期(同四二年一二月二八日)と前記売買時期(同三八年三月二七日)との時間差による価格の変動を考慮し、財団法人日本不動産研究所作成の土地価格指数に基づく時点修正率を乗ずると別表二のとおり坪当り二〇九円となること(但し、堤敷としての価格指数がないので、堤敷と類似する山林〔薪炭林〕を準用)、さらに、右価格につ


