◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(15)
き本件敷地と前記事例地との場所的格差をその固定資産税評価額に基づき場所的価格差修正率を乗じて考慮すると別表三のとおり坪当り二四七円となること、前記中央信託銀行名古屋支店が建設省中部地方建設局木曾川工事事務所長の依頼により本件敷地の近傍類地を市場資料比較法により鑑定評価したところ、本件輪中堤敷の一部分で、本件堤防敷<地名略>に隣接する<地名略>・地目山林・現況堤防敷の所有権価格が坪当り三〇〇円(昭和三九年八月二一日当時)であることおよび愛知県収用委員会は本件裁決において、本件堤防敷地の位置・形状・環境その他の立地条件を総合的に比較考量した結果、同敷地の所有権相当額を一平方メートル当り二四二円と認定したことをそれぞれ認めることができる。
しかしながら、右のとおり前記売買事例に基づきいわゆる取引事例比較法により本件堤防敷地の所有権相当額が坪当り二四七円と算出されたことおよび前記近傍類地(堤防敷)の所有権価格が同三〇〇円と鑑定評価されたことをもつて、被告主張の右相当額一平方メートル当り二四二円の論拠とするのは、右主張額が右各価額を上回るとはいえ両者の間に約三倍もの格差があり、その格差の根拠につき何ら主張立証がないことから考えると妥当を欠き、また、前記裁決における価額を以つて論拠とするには、その算定根拠が未だ不明確であつてこれまた妥当ではない。
そこで考えるに、昭和四〇年一月、原被告間において用排水路等の敷地(<地名略>)の売買が三・三平方メートル当り二、五〇〇円でなされたことは当事者間に争いがなく、成立に争いない乙第五号証の一〇、証人Aの証言および検証の結果によれば、同三八年一二月一一日の被告調査時、本件輪中堤内西端部の右敷地(約九五坪)は、以前ポンプアツプ施設としての水車小屋があつた現況宅地と評価されたこと、および右敷地のうち水車小屋の敷地部分約一〇坪位はその部分のみ若干高くなつていて、右敷地の他の部分はそれより低く、用排水路・水田・輪中堤敷であつたことを認めることができるので、右敷地は現況宅地でなく、むしろ用排水路、水車小屋等農業用施設の敷地として、農地類似の土


