◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(18)
坪当り三〇〇円、財団法人日本不動産研究所名古屋支所が建設省中部地方建設局木曾川工事事務所長に依頼されて本件原野の近傍類地を市場資料比較法により鑑定評価したところ、前記原野の所有権価格は近傍畑の世評価格坪当り八五〇円の三〇パーセントに当る同約二五〇円(同年六月当時)であるとしたことおよび愛知県収用委員会は本件裁決において、本件山林・原野の位置・形状・環境その他の立地条件を総合的に勘案した結果、同山林・原野の所有権相当額を一平方メートル当り二四二円と認定したことをそれぞれ認めることができる。
しかしながら、右のとおり原・被告間の売買価格が山林三・三平方メートル当り二九七円、原野同二七二円、前記近傍山林の所有権価格が坪当り三〇〇円、同原野のそれが同約二五〇円であることを以つて、被告主張の本件山林・原野の所有権相当額一平方メートル当り二四二円の論拠とするのは、右主張額が右各価格を上回るとはいえ、両者の間に約三倍もの格差があり、その格差の根拠につき何ら主張立証がないことから考えると妥当を欠き、また、前記裁決における価額を以つて論拠とするには、その算定根拠が未だ不明確であつてこれまた妥当ではない。
ところで、本件山林原野が本件輪中堤外西側に、長良川と同堤防とに挾まれた南北に細長い土地であることは前記二において認定したとおりであり、右山林原野は依然として長良川出水の危険の下にあることを考慮すると、その客観的取引価格ないし利用価値は、本件堤防敷地よりも低いものということができる。そして、前掲甲第三三号証の二、三、同第三九号証および証人Dの証言によれば、前記名古屋不動産研究所が本件山林原野の所有権価格(本件裁決時)を鑑定評価したところ、右山林原野が前記標準的耕地と比較して、本件輪中堤外のやや起伏のある原野であつて諸要因で劣るので、堤外地の堤内地に対する評価先例による割合等を考慮して、右耕地の前記標準価格一平方メートル当り七〇〇円に対して五〇パーセントの減価を行つた同三五〇円(三・三平方メートル当り一、一五〇円)をもつて右山林原野の所有権価格とし、本件堤防敷地の三〇パーセント減


