行政訴訟判決…補償金増額請求事件(21)


◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(21)

◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(21)

、本件輪中堤は同証人が鑑定時に実地に見た結果の常識的な判断としては、土壌の単なる堆積即ち土地の構成部分ではなく、土地とは別個の物件で土地収用法上の定着物であり、このことは、右輪中堤が人工的に作られ、それなりの歴史・由来があり、鑑定当時も人工的に作られた堤防としての原形を失なつていなかつたことから裏づけられるとする見解のあることを認めることができるが、土地収用法が収用土地上の物件について、土地を収用、使用することができる事業に必要のない物件については原則として移転させ(同法七七条)、移転困難・移転料多額の場合には当該物件を収用できることとし(同法七八、七九条)、事業に必要な「土地に定着する物件」については別個独立に収用・使用できるとしている(同法六条)ことから考えると、同法にいう土地の定着物とは、土地に継続的に付着された状態で使用されるのがその物の本来の使用形態であり、かつ、土地から分離して移転することが社会通念上可能である物をいうものと解すべきであるが、そうとすれば定着物か否かは専ら物自体の客観的な性状によつて定まるのであつて、その物が人工的に作られたかどうか、その物の持つ歴史・由来がいかなるものかということには左右されないというべきであるから、本件輪中堤を定着物であるとする前記見解は採用できない。
なお、原告は堤防が敷地と一体であるなら堤防の価値を前記「土地相当ノ価格」即ち堤防敷地の所有権相当額の中に含ませるべきであると主張し、右に論述したように本件輪中堤は輪中堤敷地の付加物として右敷地と一体となつて存在し、右敷地はいわば堤防状土地というべきであるが、前記三認定のとおり、右敷地の一部分たる本件堤防敷地の所有権相当額は付加物たる堤防の価値をも含んでいるとみることができ、従つて、別箇に補償を要するものではない。
五 原告は本件輪中堤の文化財的価値についての損失を、河川法七六条一項に規定する本件占用許可取消処分により通常生ずべき損失として、その補償を求めているものと解せられる。
ところで、原告主張の本件輪中堤の文化財的価値について考えるに、文化財保護法(昭



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