行政訴訟判決…補償金増額請求事件(4)


◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(4)

◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(4)

定着物として土地と一体をなし、土地収用においては原則として土地と共に収用または使用されるが、土地の構成部分ではなく、その敷地とは別個独立の「地上ニ現存スル」工作物(前記通牒)として補償の対象とされるべきである。
土地収用法には本件輪中堤のごとき公共的施設収用の補償について明文の規定はないが、地方鉄道法・軌道法・運河法・水道法はそれぞれ「公共的施設を買収する場合、その建設費・開設費用・物件の時価による買収」等と定めており、本件補償につきこれらを参考にすべきである。また、公共用地等の取得に伴う損失補償の各種基準によれば「土地に定着する物件については土地の取得に係る補償と同様、通常の利用方法による評価をもつてする正常な取引価格による」、「工作物につき取引事例なき場合は推定再建設費を基準にする」、「公共施設についても私有財産と同一の原則による」と定められ、宅地制度審議会は不動産鑑定評価基準について「公共・公益目的に供せられている不動産の評価は複成式評価法が有効な方法である」としている。なお、本件輪中堤は収益を目的としない公益物件であるが、学説上収益は価格算定の基準にならないとされている。
以上の実定法・各種基準・学説からすれば、本件輪中堤を公益的工作物もしくは施設としてその複成価格(推定再建工事費)を基に各種減価要因を考慮し、ほぼその半分をもつて本件輪中堤の工作物価値(評価額)と考え、それを本件堤防の敷地面積に応じて配分した価額を本件堤防の損失補償額とすべきである。
なお、堤防の価値は堤内地の交換価値に化体しているとみるのは誤りである。本件堤防はその位置も所有者も違う堤内地とは別個の物件として収用されるのであるから、かかる化体説を適用する余地はない。被告は堤防内外の多数土地を任意買収するとき内外とも同一単価で買収している。また、仮に堤防を敷地と一体として考えるとしても堤防の価値を「土地相当ノ価格」の中に含めるべきである。
さらに、被告主張の「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」(昭和四二年二月二一日閣議決定)は、いわゆる公共施設についてはその機能を中断



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