◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(7)
(土地収用法七一、七二条)というべきところ、原告主張の各本件土地について右相当な価格を、評価方法として最も妥当な取引事例比較法を用いて評価すると、取引事例としては場所的同一性および物件的類似性のある、右土地と同一需給圏内に所在すると認められる状況類似の売買実例四件(別表一)があり、その所在位置は本件土地から約六粁下流の地点である。また、時間的同一性を求めるため、右上地の補償時期と右各売買時期との時間差による価格の変動を、日本不動産研究所の土地価格指数に基づく時点修正率を乗じて修正すると別表二のとおりとなり、さらに右土地と事例地との場所的格差を固定資産税評価額に基づき場所的価格差修正率を乗じて修圧すると別表三のとおりとなる。従つて、山林(薪炭林)については坪当り二四七円、山林(用材林)については同二六六円、これに田畑を加えた平均は同二五九円五〇銭、畑の最高価格は同三三六円となる(別表三)。よつて、本件裁決に際し被告が算出した本件土地の見積損失補償額坪当り三〇〇円は妥当なものであり、右三〇〇円を上回る愛知県収用委員会の裁決による補償額一平方メートル当り二四二円は相当である。
1 堤防敷地・山林原野・荒地について
原告主張にかかる原被告間の土地売買事例については、当該土地はもと水車小屋があつた場所で将来宅地として利用されることが客観的に可能であり、宅地としての有用価値が認められたので宅地として買収したもので本件土地とは事例が異なる。また、原告主張の売買事例は本件土地とは地域要因が異なり事例として不適当である。
2 堤防について
旧河川法施行規程一〇条(現行河川法施行法一九条)により補償金を下付するのは、同規程九条の「河川ノ敷地」についての占用不許可等の場合であつて堤防のごとき河川付属物は含まれない。また、土木局長通牒の「地上ニ現存スル物件」とは、当該土地の占用許可を受けた者が占用の目的を達するために有している物件をいい堤防はこれに当らない。
堤防は土地に附合化体し一体となつて土地を構成するもので、堤防敷と別個の独立した物件ではなく、社会通念上独立


