◆S53. 4.28 名古屋地裁 昭和43(行ウ)9 補償金増額請求事件(10)
受取つたこと、以上の各事実はそれぞれ当事者間に争いがない。
二 占用許可の取消処分に伴う損失補償については、河川法(昭和三九年法律一六七号)七六条一項により「通常生ずべき損失」を補償すべきであるが、原告の占用する本件土地について、その占用不許可または占用禁止に伴う補償については河川法施行法(同年法律一六八号)一九条、河川法施行規程(明治二九年勅令二三六号)九条、一〇条が適用される結果、同規程一〇条に規定する「相当の補償金」を下付すべきところ、右「相当の補償金」とは、土地相当の価格の補償(明治三五年三月二八日土甲一三号各地方長官宛土木局長通牒)即ち、所有権消滅によつて土地所有者の受くべき通常の損失の補償として、所有権相当額(所有権価格)と考えるべきである。
なお、同規程九条、一〇条によれば、「河川ノ敷地ニシテ荒地ニアラサルモノ」の占用不許可等の場合に補償金を下付するとされているが、本件輪中堤のごとき旧河川法四条二項による認定河川付属物については河川に関する規程に従うものとされ、その敷地の占用について、その占用取消に伴う損失の補償につき河川敷地と別異に取扱うべき理由は見出しえないから、右各規定は堤防敷地についても適用されるものと考えられる。
三 原告は本件堤防敷地(本件土地のうち地目堤防の土地即ち本件堤防の敷地、四、四三二坪)の所有権相当額は三・三平方メートル当り三、〇〇〇円、本件山林原野(前記山林六〇三坪および同原野のうち<地名略>の一部並びに<地名略>の六筆を除いた土地三、八一七坪)同一、五〇〇円、本件荒地(右<地名略>の残部および<地名略>の六筆、三、四四五坪)は、同七五〇円が所有権相当額であると主張し、被告は本件裁決における右堤防敷地および山林原野一平方メートル当り二四二円、右荒地同四八円四〇銭の価格が所有権相当額であると主張するので、以下右各土地の所有権相当額について検討する。
1 ところで、河川法ないしはその関係法規においては、右所有権相当額または所有権価格をいかなる算定方法により算定すべきかについて規定を欠いているところ、同法七六条一項


