◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(4)
5 よつて、原告らは被告に対し、請求の趣旨記載のとおり原告らに対しなされた各処分(以下、本件更正処分等という。)の取消を求める。
二 請求原因に対する認否
請求原因第1、第3項の事実は認め、その余は争う。
三 被告の主張
1 法人税について
(一) 原告会社は、Bから同人の所有する大寅蒲鉾株式会社(以下、単に大寅という。)の株式(以下、本件株式という。)を別表2記載のとおり、昭和四〇年一二月二八日(第一回)、昭和四一年一二月二八日(第二回)、昭和四二年一月三一日(第三回)の三回にわたり同表記載の対価で譲受けた。
(二) しかるに、右株式の譲受価額はいずれもその時価に比し低額であつた。
(1) 本件株式は証券取引所に上場されていないのはもとよりその気配もなく、一般取引の対象にさえなつていない所謂取引相場のない株式であり、かような株式の価額の算定方法として種々の方法があるが、大寅の株価の算定には純資産時価方式が最も適切である。すなわち、大寅は、発行済株式一万六〇〇〇株のほとんどをB一族が所有する同族会社であり、また役員も右一族でほぼ占められているが、このような個人的経営形態における株式は会社の経営を支配するためのものであつて、会社財産に対する持分的所有権を表現し、その価値は会社の純資産額と密接に結びついている。従つて、本件株式の価格は同社の純資産の価額を基準にして算定すべきである。
(2) さらに本件における純資産の計算については、純資産の時価によるべきであつて、その処分価額によるべきではない。何故ならば、純資産時価が経済価値としての意味を持つのは企業全体が一括して他の経済主体に移転され、再びそこで使用される場合であり、その企業が新たに設立されるとしたら最低どのくらいの自己資本が必要になるかを示すものであるところ、原告会社が本件株式を取得した目的は専らBから原告Aに対し大寅の経営支配権を移転させるためであり、右株式譲渡はまさに大寅の企業全体が一括してBから原告Aへ移転した場合と同視すべきものだからである。これに対し、純資産


