行政訴訟判決…法人税贈与税更正処分取消等請求事件(7)


◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(7)

◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(7)

場会社等大法人の株式の時価評価に比し、一株当りの評価額が相当高くなつて不公平な取扱いとなり、時には経営の圧迫すら招来する事例が少なくない。そもそも課税根処にはそれだけの客観性、合理性と公平な取扱いが要求されるのであるが、ことに本件のように評価が極めて困難で、かつ評価方法に問題のある取引相場のない株式の時価評価が争われている場合には、一つの方式のみによることには疑問があり、各種方式を参考に多面的に適正な時価を判断すべきである。そして、被告の主張するように株式の時価評価方法をその保有目的が経営支配によるか否かによつて区別し、経営支配を目的とする株式の評価は単純に純資産法を採るのが相当であるとすることには何ら客観的合理性があるとはいえない。
ちなみに、本件において原処分、裁決、本訴と進行するにつれて、原処分庁(被告)、裁決庁、本訴被告の各採用する評価方法と評価額が順次、変動しておる点からみても、本訴における被告主張の評価方式、評価額が客観的に合理性を有するとは到底考えられない。
(三) また被告主張のように、純資産のみをもつて株価を評価することは法人格そのものを否定し、個人企業と同視するものであり、法人である以上はたとえ小会社であつてもそれなりの株式評価が行なわれるべきである。特に大寅は、相続税財産評価通達による会社分類では中会社にあたるが、右通達では中会社の株価算定には純資産方式と類似業種比準方式との併用方式を採用すべき旨規定しているのであるから、純資産方式のみによりその株価を評価するのは妥当性を欠くものといわなければならない。
(四) かりに純資産方式によるとしても、その資産の評価は帳簿価額によるのが妥当であるところ、若しこれを時価に洗い直すとすれば清算所得に対する法人税額相当分を差引くのが当然であり、これにより計算すすれば、昭和四〇年一二月二八日譲受分は一株当り七、〇二四円、昭和四一年一二月二八日譲受分は同八、三二四円、昭和四二年一月三一日譲受分は同一五、〇五四円となるから、被告主張の純資産時価方式における一株当りの評価金額は誤りである。
(五)



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