◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(12)
全趣旨によれば、次の各事実が認められる。(一部、当事者間に争いのない事実を含む。)
(一) 大寅は明治二五年創業の老舗であり、昭和二四年に株式会社に組織替えした蒲鉾の製造販売を業とする法人である。
(二) 同社は昭和四〇年から昭和四二年ころにかけての一事業年度当りの総売上が約三億円、純資産が約二億円であつて、相続税財産評価通達の分類では中会社に該当する。
(三) 同社は、昭和四〇年当時における発行済株式総数一六〇〇〇株のうち、Bおよびその一族が一五、六四六株を保有し、役員もほとんど右一族の関係者で占められている同族会社である。
(四) 同社の株式は証券取引所に上場されていないことはもとより、その気配もなく、一般に取引の対象になつていない所謂取引相場のない株式であつて、前記Bから原告会社に対し三回にわたり譲渡された以外に同社の株式が取引されたことはなかつた。
(五) 原告会社は、大寅の代表取締役Bに万一の事態が生じた場合に相続をめぐつて小谷一族の間で紛争が発生することを防止し、Bの孫であり養子でもある原告Aが将来における大寅の経営権を掌握することを目的として昭和四〇年一二月二一日資本金四〇万円をもつて設立されたものであり、その発行済株式総数八〇〇株中原告Aが七三〇株を所有し、その余の株式についても小谷一族が全てを所有している。
(六) 原告Aは、本件譲受により原告会社が保有するに至つた本件株式七、〇三八株のうち八〇〇分の七三〇、すなわち約六、四二二株を、原告会社の株主として原告会社に行使しうる支配権を通じて間接的に所有することになつたわけであるが、これに以前から保有していた大寅の株式二、一二〇株を加えると、大寅の発行済株式総数一六、〇〇〇株中約八、五四二株(約五三%)を直接または間接に保有することになつた。
(七) 原告会社の資産内容は、Bから取得した本件株弐七、〇三八株と、その取得代金支払のための借入金および未払金のほかに特になく、かつ設立以来昭和四二年一月三一日までの間に事業活動を行なつていない。以上の各事実が認められ、右認定


