行政訴訟判決…法人税贈与税更正処分取消等請求事件(13)


◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(13)

◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(13)

に反する証拠はない。
一般に財産の時価とはその財産の客観的交換価値をいい、当該財産につき不特定多数の当事者間における自由な取引において時価が成立する。株式の場合も、証券取引所に上場されている上場株式あるいは店頭で売買されている気配相場のある株式については、市場を通じて不特定多数の当事者間の自由な取引により市場価格が成立し、これをもつて時価とするのが相当であり、また非上場株式であつても、現実に売買が行なわれ、その売買実例が当該株式の客観的交換価値を適正に反映していると認められれば、その売買価額が時価とされる。しかるに、大寅の株式は本件譲渡の外、売買の実例がなく、また本件株式を取得した原告会社は原告Aが発行済株式総数八〇〇株中七三〇株を所有する同族会社であり、右譲渡の目的がBの相続に関する紛争の発生を防止し、同人から原告Aへ同族会社である大寅の経営権を譲渡せんとするところにあつたことなど前記認定の事情に照らせば、右売買をもつて当事者間の自由な取引によるものとは認められず、従つてその譲受価額が適正な時価を正確に反映しているものであると直ちにはいい難い。
3 そこで本件株式の時価について検討する。
(一) 法人税法においては、企業会計上の株式評価に関する規定はあるけれども、法人が無償もしくは時価と異なつた対価で株式を取得した場合に要求される株式の財産価値測定としての評価については何ら定めがないため、その評価は困難をきわめるが、大寅のように取引相場のない株式の時価の評価方法としては、一般に(1)配当還元方式(2)収益還元方式(3)純資産価額方式(4)類似業種(または類似会社)比準方式(5)これらの併用方式が考えられるので、右各方式について検討する。
(1) 配当還元方式
右方式は、当該会社の株式の一株当りについて将来各期に期待される配当金額を一定の資本化率(還元率または割引率)で還元し、元本である株式の価額を算定する方法であるが、これは株価決定の要因として純資産、収益等を一切捨象する点に問題があり、ことに大寅のような同族会社においては利益の多くが会社



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