◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(15)
現状の姿で新たに設立されるとすればどのくらいの自己資本の価額を必要とするかを示すものである。これに対し、(ハ)の純資産処分価額とは、会社が解散したと想定し、個々の資産を処分する場合の売却価額を意味する。従つて、純資産時価方式と純資産処分価額方式を比較すると、通常処分価額が再取得価格より低く見積られることから見て、純資産時価方式の方が株価は高く評価されることになる。
そして、純資産時価方式にしろ、純資産処分価額方式にしろこの方式を採用すると、会社に利益が発生してもその利益が株主にすべて配当されるわけではなく会社内部に利益金その他として留保される部分が多く存するのが通例であることから考えて、株価は、本来当該株式の有する客観的交換価値より著しく高額になることがしばしば生ずる。以上の点からみて、純資産価額方式によるとしても、評価される株式の価額を客観的交換価値により近接させるという意味から、純資産時価よりも純資産処分価額を採用する方がより合理性を持つものと考えられるが、他方本件において純資産時価方式が全く不適当であると認めることはできず、成程度の合理性は認められる。
(4) 類似業種(または類似会社)比準方式
右方式は、上場会社中から評価すべき株式の発行会社と事業の内容、規模(資産構成、収益状況、資本額)などの類似する業種あるいは類似する会社(比準会社)を選定し、その会社の株式の取引相場を基とし、両会社の収益力、配当率、純資産額などをそれぞれ比較対照して株価を算出する方法であり、証人Cの証言により真正に成立したと認められる甲第二三号証、鑑定人Dの鑑定の結果および弁論の全趣旨によれば、相続税法関係では類似業種比準方式に関しその業種区分、平均株価、配当・利益・純資産の平均額は国税庁から毎年通達により公表(会社名は公表されていない。)されていることが認められる。
この方式は、株価を決定する配当・収益・純資産という三つの要素ともに重点をおくものであつて、一般的に妥当な方法である。
しかしながら右方式には評価会社と規模・内容ともに類似性を有する比準会社を容易


