◆S53. 5.11 大阪地裁 昭和45(行ウ)38 法人税贈与税更正処分取消等請求事件(16)
に選定しがたい点に難点があるところ、原告らは本件における比準会社として丸大食品株式会社を挙げるが、同会社は畜肉、ハム、ソーセージを主体とした肉製品製造販売業であり、蒲鉾を主体とする水産加工品製造販売を営む大寅の株価の評価に当り同会社が類似会社として妥当であると認むべぎ証拠はない。
(5) 併用方式
右(1)ないし(4)を併用する方法として種々の組合せが考えられるが、前記甲第二三号証、D鑑定および弁論の全趣旨によれは、相続税においては通達(相続税財産評価通達)により同族会社の同族株主が保有する取引相場のない株式の評価方法として(3)(ロ)の純資産時価方式と(4)の類似業種比準方式との併用方式がとられ、大寅のように中会社においては右二方式の平均値をもつて当該株式の時価とする旨定められており、現実に相続税、贈与税の決定の場合のみならず、他の場合にもかなり広く用いられていることが認められる。そして本件においては後述のように、Bから原告Aへの贈与があつたか否かが訴訟の対象となつているのであるから、右併用方式を斟酌することにも成程度の合理性があるものと考えられる。
(6) 原告らは右各方式の外に中小企業投資育成株式会社の保有株式処分価額評価基準または銀行等の金融機関が買取る場合の基準を適用すべき旨主張するけれども、右各基準を本件において採用すべきを相当と認むべき証拠はない。
(二) かように、非上場株式の時価評価について種々の方式があり、それぞれ評価の目的に応じて選択適用さるべきではあるが、元来取引実例の乏しいかあるいは本件のように全くない株式について時価を評価しようとするのであるから、各方式に長所短所がある以上、そのうちの一方式のみを選んで評価を行なうことには疑問がある。従つて、各方式のうち、右(一)で認定したとおり、本件株式の評価に最も合理性があると認められる収益還元方式、純資産処分価額方式により評価を行ない、次いで或程度合理性ありと認められる純資産時価方式、併用方式(類似業種比準方式と純資産時価方式の併用)により評価を行なつたうえ、それらの平均値(単純


