◆S53. 5.11 東京地裁 昭和47(行ウ)154 勤勉手当請求事件(8)
前として決められた始業時刻であつて、学内では、実際には午前九時を始業時刻とする運用がなされていた。従つて、原告が実質的に勤務を欠いたのは、研修時間一八分間ということになり、勤務に与える影響は皆無であつたといえるから、このような欠勤を取り上げて一か月未満の欠勤と同列に扱い勤勉手当の減額を行なうことは、勤務成績との対応関係を著しく欠き、勤勉手当の生活給的性格に照らしてはもとより、その能率給的性格に照らしても著しく合理性を欠く取扱として裁量権を逸脱した違法があるものといわなければならない。さらに、争議行為による不就労を理由とする勤勉手当の減額は、争議行為に対する不利益制裁としての実質を有することは否定しえないところであるから、所属長は憲法二八条により右の制裁が過酷にわたることのないようにすべく制約されているのであり、人事院規則の機械的適用が過酷な制裁となるような場合には、所属長は勤勉手当の減額を差し控えなければならないのであり、この点からも本件勤勉手当減額措置は違法といわなければならない。
二 (被告)請求原因に対する認否および主張
1 認否
第一次請求原因のうち(一)は認める。
(二)のうち原告の勤勉手当が期間率一〇〇分の一〇〇によつて算出されるべきであり、その額が七三、一九七円であることを否認しその余を認める。(四)の冒頭の主張のうち被告による勤勉手当の算出につき給与法令の解釈適用に誤りあることは否認し、その余を認める。同(1)のうち昭和三八年給実甲二二〇号の八項および昭和四三年職職一〇三六号の第三項関係が原告主張のとおり時間を日に、日を月に換算する方法を規定していること、地方自治体の中には教育職員たる地方公務員につき原告主張のとおり期間率適用に際し運用または規則の改正により一日未満の欠勤を在職期間から除算しない扱いをしているものもあることは認め、その余は否認する。同(2)、(3)は否認する。
第二次請求原因は否認する。
2 第一次請求原因に対する主張
(一) 原告に対し昭和四六年一二月一日を基準日として支給された勤勉手当額は六五


